【御詠歌】
草も木も仏になれる仏木寺
なお頼もしき鬼畜人天
鎌倉時代の墨書銘があり、像高1.2mの寄せ木造り。県指定文化財。背面に大師作の小像が胎内に納められている旨の墨書がある。
毎年土用の丑の日に「瓜封じ」の祈祷をし、人間や動物の心願成就を祈念する。
仏木寺の歴史・由来
牛の背に乗った弘法大師の伝説が語り継がれる仏木寺には、境内に家畜堂という小さなお堂がある。ミニチュアの牛や馬の草鞋をはじめ、牛馬の陶磁器、扁額などがところ狭しと奉納されている。近隣の農家では、田植えが終わったころに参拝に行き、牛馬の守護札を受けて帰り、畜舎の柱に貼っていた。往時は農耕をともにした家畜たちの安全を祈願していたが、最近ではペットなども含めて動物一般の霊を供養したり、また、闘牛の飼育者の間にも信仰が広がっているという。
大同2年のころ、弘法大師はこの地で牛を引く老人と出会った。誘われるまま牛の背に乗って歩むと、楠の大樹の梢に一つの宝珠がかかって、光を放っているのを目にした。よく見ると、これは大師が唐から帰朝するときに、有縁の地が選ばれるようにと、三鈷とともに東方に向かって投げた宝珠であった。大師は、この地こそ霊地であると感得、堂宇の建立を決心した。大師は自ら楠で大日如来像を彫造、眉間に宝珠を埋めて白毫とした。これを本尊として安置し、「一カ山仏木寺」と名づけ、草字体で書写した『般若心経』と『華厳経』一巻を奉納されたと伝えられる。
その後、寺は牛馬安全の守り仏、大日さまとして信仰をあつめ、鎌倉時代には宇和島領主・西園寺家の祈祷、菩提寺となるなど隆盛を誇った。戦国時代には戦乱に災いされるなど、苦難の道を余儀なくされたが、再建に励んで面目を一新し、活気に満ちている。
仏木寺の見どころ
本尊・大日如来像・家畜堂・鐘楼堂(四国霊場では珍しい茅葺の屋根。元禄時代(1688〜1704)に再建されたもの。
仏木寺の歴史・由来の年中行事
- 修正会
- 日時:1月1日
- 星まつり
- 日時:2月3日
- 大日如来御縁日
- 日時:4月19日
- 花まつり
- 日時:5月5日
- きうり封じ祈祷会
- 日時:7月丑の日
第42番札所 一カ山 毘盧舎那院 仏木寺
(いっかざん びるしゃないん ぶつもくじ)
※「一カ山」の「カ」は王偏に「果」
- 宗派
- 真言宗御室派
- 本尊
- 大日如来(伝弘法大師作)
- 開基
- 弘法大師
- 創建
- 大同2年(807)
- 真言
- おん あびらうけん ばざらだどばん
アクセス情報
- 所在地
- 〒798-1102 愛媛県宇和島市三間町則1683
- 電話
- 0895-58-2216
- 駐車場
- あり(無料)
- 宿坊
- なし
- 公式HP
- なし