新年のご挨拶

旧年は皆様にはお世話になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年はコロナ禍の為、霊場会の行事は中止、縮小を余儀なくされましたが、唯一「オンライン法要」で善通寺様の御影堂に於いて、皆様のご協力のもと諡号賜1100年の記念法要・新型コロナ退散祈願会(10月27日)を営むことができました。
法要に際しまして皆様からのご協力、ご支援重ねて厚く御礼申し上げます。

昨年7月から感染症拡大防止対策(マスク着用・手指洗い・ソーシャルディスタンス(間隔をあける))を講じながら、社会生活を営むという「新しい形」での生活様式が政府から呼びかけられるようになりました。

またGoToキャンペーンも始まり、9月頃から少しずつ「新しい形」でのお遍路さんの参拝も多くなってきております。
今後も感染症拡大防止を踏まえた、「新しい形」でのお遍路をしていただきたいと思います。
新年は、各行事を「新しい形」で行うことができますよう、そして、コロナ禍を克服する一歩を力強く踏み出すことのできる一年になりますよう願っております。

お大師さまの時代も、天然痘ウィルス等の感染症に悩まされ続けており、嵯峨天皇のもと、


、寺社での祈祷

、米(現在の現金)や煎じ薬等の給付

、斎戒・飲酒の禁止・殺生の禁止・病人の救済

、納税の免除


などの対策が行われたことが史料に残されております。
いつの時代でも、人の講ずることは特別なことではなく、「神仏に祈ること」と「人事を尽くすこと」の両輪です。そして、人事を尽くすことによって、神仏がその祈りに応えて下さるものとの思いは同じであります。

お大師さまはこの祈りに、嵯峨天皇に般若心経の写経をおすすめし、全国で「悔過(けか)」という光明真言や薬師如来の御真言を唱える護国法会を進言されました。

今、四国霊場会では、皆様お一人おひとりの健康と幸せ・世界中のコロナ禍の収束を祈願して、全国信徒の皆様に般若心経の写経や、お唱えしていただくことをおすすめすると共に昨年9月には、「御宝号88億回念誦プロジェクト」を立ち上げました。
皆様に「南無大師遍照金剛」の御宝号をお唱えいただき、スマホやパソコンなどの端末機で「(一社)四国八十八ヶ所霊場会」の公式ホームページを開き、一日一日に唱えた数を入力していただき、皆様のお唱えいただいた数を合計して、88億回(世界の人口がもうすぐ88億人となりますので)にしようというプロジェクトです。皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

今も、全国の医療現場では深刻な状況が続いており、医療、福祉、物流関係者等々に従事されている皆さんには、感染リスクにさらされながら日々の業務に精励され、社会の日常を支えていただいています。
私たちも一人ひとりの努力で、感染症に強い社会を作らねばなりません。事態は刻々と変化しており、イギリス、アメリカなどではワクチンの接種が始まっております。皆様も政府や各都道府県の発表する情報を随時確認しながら行動していただきたいと思います。
そして、御宝号を念誦し、お大師さまと同行二人でこの苦難を乗り越えていきたいと思っております。

四国八十八ヶ所霊場会 会長
四国霊場第6番札所 安楽寺
住職 畠田秀峰

合掌