宝珠山 真言院 津照寺

【御詠歌】
法の舟
入るか出づるかこの津寺
迷ふ我身をのせてたまへや

境内

本堂は参道正面の小高い山の上に鎮座しております、朱門をくぐり右へ入ると大師堂、納経所、檀信徒会館があります。本堂に向う石段は真直ぐと天に続くかのような趣、かなりの急勾配で皆、真ん中の手摺りを利用して上がります、そして石段の途中には竜宮城を思わせるような鐘楼門兼仁王門。石段を昇りつめた所、本堂の正面には太平洋が広がります、眼下には室津川の河口と室津港、右の方には行当岬と深緑の隙間に26番金剛頂寺が見えます。※画像1

境内周辺の見所

参道の左に一木権兵衛ゆかりの「お釜岩」が有り参道途中から左に入ると室津の港を、命を賭して改修した一木権兵衛が奉られる一木神社があります。※画像2

津照寺の歴史・由来

室津港を見下ろす小山の上にたたずむ「津照寺」(しんしょうじ)は、通称「津寺」(つでら)と呼ばれています。弘法大師空海上人が四国御修行の砌、山の形が地蔵菩薩の持つ宝珠(ほうしゅ)に似ているところから霊地とし地蔵菩薩を自ら刻まれ本尊とし、宝珠山真言院津照寺と号されました。
はじめ長曽我部氏の庇護をうけ津寺村と称して七町余の地高を有しその後、山内氏が国主として入国してより更に一町五反余の田地を寄附され寺院の運営も全て藩営とされ中老格をもって遇され隆盛を極めておりましたが、明治の改革に遭い地領は一旦政府に没収亦は小作農民に払い下げとなり寺は廃寺とされました。
荒廃にまかすこと約十数年明治十六年ようやく寺名復興を許され今日に至ったのでありますが寺域は極度に狭められ昔日のおもかげはなく、只本堂が地蔵堂としてのこり御殿と申された庫裏の一角が当時小学校として残っておりました。現在、小学校は移転され、大師堂は昭和38年、本堂は昭和50年に新築されたものです。

【楫取地蔵の由来】御本尊延命地蔵を楫取地蔵(かじとりじぞう)という由来を申しますと、慶長七年秋の頃山内家初代一豊公が室戸の沖で暴風雨に遭い困難いたされた時、何処からともなく大僧が現れ船の楫を取って御船は無事室津の港に入港する事が出来た。ほっとした所で先程の大僧の姿が見えないがともあれ探して津寺へ参詣してみると本尊地蔵菩薩の御体が濡れており、大僧が本尊地蔵菩薩であった事がわかった、之より本尊が楫取地蔵と申し伝えられるようになりました。この霊験記は、旧記南路史に明記されて居ります。
また今昔物語には「地蔵菩薩火難ニ値ヒ自ラ堂ヲ出ルヲ語ル」第六として津寺の本堂が火難に遭った時、本尊地蔵菩薩が僧に身を変えて村人に知らせ、火難を逃れたという物語が出ており古くは火事取りの意味でも、かじとりじぞうと呼ばれております。

津照寺の見どころ

境内・境内周辺の見所・本堂前より行当岬・室戸スカイライン・太平洋が望めます。

第25番札所 宝珠山 真言院 津照寺
(ほうしゅざん しんごんいん しんしょうじ)

宗派
真言宗豊山派
本尊
地蔵菩薩(楫取地蔵)
開基
弘法大師
創建
大同2年(807)
真言
おん かかかび さんまえい そわか

アクセス情報

所在地
〒781-7102 高知県室戸市室津2652-イ
電話
0887-23-0025
駐車場
港の広場を使用させていただいている。車は境内には入れない。無料
宿坊
なし
公式HP
なし

南国インターチェンジから、室戸を目指す方向で国道32号線・国道55号線と走り、室戸市浮津の高知信用金庫ATMがある左カーブの手前を右折、約100m走り町の案内板の前を左折、約400m道なりに走ると左手にあります。

※市道室津浮津線に架かる両栄橋の架替工事に伴い車両通行止めになっております。
通行制限期間:平成31年3月末まで(予定)
通行制限種別:車両通行止め(歩行者通行可)

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